欅のみえる家から

中田明子(なかた あきこ)のブログ。心に響く短歌の備忘録。塔短歌会。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

塔2月号より

ゆきあいの湖と呼ぶべし躍層は静かに昼を崩れつつあり /永田淳 p6 「躍層」とは湖のある深度において、水温などが変化する層のことですが、この語彙により、湖の深さ、冷たい水の手ざわりというイメージが喚起されます。下句は作者の知的想像力によりイメー…

塔1月号より

音にもああ影はあるのだ拡声器の声が団地に反響している /乙部真実 p61 上句のフレーズ、これまで音にも影がある、というふうに具体的に認識をしたことがなかったけれど、言葉としてこのように定着されたことで、これまで漠然とは感じたことのあったはずの…