口元のマフラーを少し湿らせて昨日のわたしを追い越してゆく /魚谷真梨子「塔」2017年4月号 ふかぶかと巻いたマフラーを吐く息に湿らせながら、主体はなにかを考えている。あるいはなにかを決意しようとている。そうして昨日の自分を乗り越え、昨日の自分よ…
ひとの眼はおほきな光しか見ない 刃はしづかに夜に研ぐべし /小田桐夕「塔」2017年4月号 ぞくりとするような凄みがある。刃をしずかに研ぐ姿に、他人に左右されないつよさと揺るがない自負からなる作者を垣間見るようである。みずからを磨き、やがては「お…
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