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欅のみえる家から

中田明子(なかた あきこ)のブログ。心に響く短歌の備忘録。塔短歌会。〈西窓の欅の右へと日没の場所の移りて春が近づく〉

〈こゑ〉

こゑはその喉ふるはする息の音みつみつとわが冬を湿らす
/横山未来子『水をひらく手』

その声の持ち主は心寄せる人だろう。声はその人の息、その人の命そのもの。声の温もりが、そしてその人の存在そのものが、まるで雪に息を吹きかければとけて滴になるように、わたしの冬を湿らせる。
「みつみつと」という表現に恋をする若い女性の心の高ぶり、心の充実を思う。
 
歌集に〈こゑ〉というモチーフはたびたび登場する。作者にとって他者の存在を確かめるための、実感するための、とても大切な要素であるようだ。