欅のみえる家から

中田明子(なかた あきこ)のブログ。心に響く短歌の備忘録。塔短歌会。〈西窓の欅の右へと日没の場所の移りて春が近づく〉

大森静佳

大森静佳歌集『てのひらを燃やす』より

触れることは届くことではないのだがてのひらに蛾を移して遊ぶ/大森静佳『てのひらを燃やす』 触れること、それはすなわち届くことではない。たとえ誰かに(あるいはなにかに)触れたとしてもそのものの心に、深部に届いたことにはならない。理解したことに…

〈声〉

ユトレヒト、ときみが言う声わが裡の焚き火の穂先すこし揺らして /大森静佳「金色の泥」『京大短歌』22号 ユトレヒト、という異国情緒あるうつくしい名詞にまず引きこまれる。ユトレヒトとは中世の街並みと運河のうつくしいオランダの都市である。ユトレヒ…