塔5月号花山多佳子選歌欄評に
塔5月号の花山多佳子選歌欄評にとりあげていただきました。
一通のメイル打ちつつきざしくる遠きいたみよ夜は明けゆく
/ 中田明子(塔2016年3月号掲載)
「遠きいたみ」はどのようなものだろう。 この歌からそれを読み解くことは困難だ。しかし夜明け前に打つメイルの内容を想像することで近づいてはいける。まず、メイルはEメールの意味だろうから誰に送るにしても距離の問題はあまりない。となると過去からくる痛みだろうか。夜明けの時間まで打っているということはとても深い痛みなのだろう。忘れていた痛みが再発しているのだろう。細かいことだが、「メイル」の表記が良い。
(評・大木はちさん)
ありがとうございました。