欅のみえる家から

中田明子(なかた あきこ)のブログ。心に響く短歌の備忘録。塔短歌会。

小原奈実

一首鑑賞〈渇く〉

皮膚すこしあざみに破り冬の野の生きて渇けるなかへ入りゆく /小原奈実「錫の光」『穀物』第3号 この歌に不思議なほど心惹かれてしまう。 まず、上句において「腕」や「指」ではなく「皮膚」というところまで接近して描写することのなまなましさ。また「破…