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欅のみえる家から

中田明子(なかた あきこ)のブログ。心に響く短歌の備忘録。塔短歌会。〈西窓の欅の右へと日没の場所の移りて春が近づく〉

〈表情〉

降りる時うしなう表情よ そののちにバスはゆきたり風をうみつつ /坂井ユリ「花器の欠片が散らばるごとく」『羽根と根』5号 バスのなかで主体は誰かと話をしていたのだろうか。一首の雰囲気にはどこかさみしげな雰囲気が漂う。表情をうしなうとは意識してあ…

〈バス〉

生きいそぐことからすこし外れてく気がしてバスの中ほどに立つ/坂井ユリ「梢、また表情を変えない冬」『京大短歌』22号 生きいそぐ、とはかならずしもいい意味でつかわれる言葉ではないが、この上句には生きいそぐことから外れていくことへの不安感、焦燥感…