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欅のみえる家から

中田明子(なかた あきこ)のブログ。心に響く短歌の備忘録。塔短歌会。〈西窓の欅の右へと日没の場所の移りて春が近づく〉

三井修歌集『汽水域』

先日、カルチャーの仲間による『汽水域』出版のお祝い会がありました。 以下は、その際に10首選をしてお話しさせていただいた内容です。 ◆若かりし頃を回顧する 井戸はまだとどめているや覗きたるまだ少年の我の素顔を(119) 若き日にヨルダン川にもとめた…

〈椅子〉

一脚の椅子半ばまで埋もれて今日砂原は切なき凶器/三井修『砂の詩学』 この歌は作者がペルシャ湾に浮かぶ島国バハレーンに五年間在住していたときのものである。作者の生活は砂漠、すなわち砂とともにある。まったく異なる風土に生まれ育ち生きてきた作者が…

〈垂直〉

蝶が来て花に双翅たたみたり垂直は水平よりもさびしい /三井修『海図』 垂直は水平よりもさびしい。感覚的かつ観念的な把握ではあるのだが、なぜだかわかる気がする。わかる気がしながらもそれを言葉で説明するのはなかなか難しい。ふと浮かんできたひとつ…