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欅のみえる家から

中田明子(なかた あきこ)のブログ。心に響く短歌の備忘録。塔短歌会。〈西窓の欅の右へと日没の場所の移りて春が近づく〉

〈指ししめす〉

球根をうめたる場所を指ししめすやうにはじめてこころ伝つ/横山未来子『樹下のひとりの眠りのために』 歌集を読んでまず目をひくのは比喩をつかう歌の多さとその美しさだ。この歌もそのうちのひとつ。これは心寄せる人にはじめてその想いを伝える場面であろ…

千種創一歌集『砂丘律』より

悲しみの後に、かなしい、という発話 知らない町の川が映った/千種創一『砂丘律』 知らない町の川を映すのはテレビか映画か。言葉は感情を後追いするもの。悲しみという感情を感情として認知し、さらにそれを言葉に置き換えるまでにはタイムラグが生じる。…

江戸雪歌集『昼の夢の終わり』より

うとうとと夜空の窓を見ていた日ひとの身体は縫えるのだと知り/江戸雪『昼の夢の終わり』 あとがきを読むと作者は大きな手術をしたという。歌集には〈この夏は鈍感になろうこの夏がすぎたらひとつ臓器を喪くす〉という歌もある。この歌はその手術を終えたば…