欅のみえる家から

中田明子(なかた あきこ)のブログ。心に響く短歌の備忘録。塔短歌会。

2018-12-08から1日間の記事一覧

塔11月号より

ひとつはしらふたつはしらとかぞへつつじふさんぼんをつりおろしたり /真中朋久 p5 「はしら」とは、神や位牌、遺骨などをかぞえる単位。数字のみが具体として提示され、事実のみが描かれながら、平仮名にひらかれた文体がその行為の意味をかみしめるかのよ…

水原紫苑歌集『びあんか』より

鳥たちは遊びのやうに北を指しわれにちひさき骰子残れり (骰子:ダイス) 「遊びのやうに」といわれて際立つのは、鳥たちが北をめざすのは本能にしたがうからであって、けして遊びなどではないということ。にもかかわらず、それは遊びのようにかろやかで、…